禁煙外来とは

当クリニックでは現在、禁煙補助薬(チャンピックス)の供給保留およびニコチンパッチの供給不足により禁煙外来の受付を一時休止しております。
患者の皆様にはご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

禁煙外来

禁煙外来は、禁煙を希望される喫煙者の方を対象にした外来になります。診療を行うにあたって、まず喫煙歴や1日に吸う本数などをお聞きして、患者様の現状を医師がしっかりと認識したうえで診察を行い、禁煙補助薬(禁煙パッチ、バレニクリン酒石酸塩錠)を処方いたします。

なお喫煙を長期に渡って行っていると様々な病気を発症するリスクが高くなります。具体的には、動脈硬化との関連が深く、動脈硬化を促進させることで発症する心疾患(狭心症・心筋梗塞 など)や脳卒中を発症させるリスクを高めます。また、たばこの煙には5,300種類の化学物質が含まれており、そのうち70 種類の発がん性物質が含まれていると言われています。そのため、がんを発生させやすくするほか、COPDや慢性気管支炎といった慢性閉塞性肺疾患などにも罹患しやすくなります。また昨今は周囲の方への受動喫煙といったことも指摘されています。このように自らの健康を守るといったことはもちろん、大切な方を守るために実践するという方もいます。

ちなみに喫煙習慣は一種の薬物依存でもあります。それゆえ喫煙者の多くが「禁煙がしたい」と決意しても、なかなか止められません。つまり禁煙できないのは、意志が弱いからではなく、ニコチン依存症という病気に罹っているからとも言えます。したがってたばこを止めるというよりは、病気を治すという心構えで禁煙外来をご受診ください。

禁煙治療に保険が適用される条件について

禁煙治療には保険が適用される条件があります。具体的な条件は以下のようになります。

  • ニコチン依存症を診断するテスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)で5点以上
  • 35歳以上の方でブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上(例えば、25歳から1日15本喫煙している45歳の人なら、15(本)×20(年)=300であり、対象となります)
  • すぐに禁煙したいと考えていること
  • 医師から受けた禁煙治療の説明に同意し、説明内容に納得された時は、文書で同意(サイン等)すること

なお保険適用の判定に関しては初回診察時に医師が確認します。その結果、条件を満たさなければ自費診療(全額自己負担)となりますが、同じ内容の禁煙治療は受けられます。

治療内容について

診察の結果、治療が必要と医師が判断すれば禁煙補助薬が処方されます。治療薬に関しては主に2種類(ニコチンパッチ、バレニクリン酒石酸塩錠)あります。なお治療期間中は、一定の期間を開けて通院していただくことになりますが、その際に吐く息に含まれる一酸化炭素をチェックする呼気CO検査を実施します。同検査は、禁煙が上手くできているか確認するために行われるものです(禁煙を保険診療で行うためには必ず行う必要がある検査です)。

主な禁煙補助薬について

ニコチンパッチ

ニコチンパッチは湿布薬のような貼り薬です。これはニコチンを少量摂取し、経口による喫煙を減少させていくというものです。そもそも体内で吸収されるニコチンの量には個人差ありますが、貼ることによって禁煙時に感じるイライラ感や落ち着かないなどの症状を緩和させるようになります。これを約8週間程度使用し、その後は禁煙パッチなしで禁煙を継続していきます。なお禁煙パッチは、同じ位置に貼り続けると皮膚がかぶれるので、毎日違う位置に貼るようにします。

バレニクリン酒石酸塩錠(チャンピックス)

バレニクリン酒石酸塩錠

これは服用タイプの錠剤でニコチンは含まれていません。バレニクリン酒石酸塩錠はドーパミンを少量放出させることでニコチン切れによるイライラ感を軽減させ、更にたばこを吸ってもおいしく感じさせなくする効果が期待できます。飲み始めて1週間は喫煙しながら服用し、8日目から禁煙を開始します(8日目より前の禁煙も可能です)。これを計12週間程度おこなっていきます。また同薬には副作用として、吐き気、不眠症、頭痛などの症状が報告されています。これらの症状がみられたら際には使用を止め、医師へご相談ください。また、うつ病を発症している患者様が服用すると症状を悪化させる可能性があります。

費用について

処方される禁煙補助薬によって、費用が異なります。詳しくは以下の表をご覧ください。なお、以下の表は所定回数の通院にかかる診療費と処方される医薬品費の合計額となっています。
保険が適用されない場合、医薬品費には消費税がかかります。詳しくは当クリニックまでお問い合わせください。

ニコチンパッチ バレニクリン
費用 自己負担額(3割) 費用 自己負担額(3割)
診療費 19,440円 5,830円 20,120円 6,040円
医薬品費 24,190円 7,260円 46,410円 13,920円
合計 43,630円 13,090円 66,530円 19,960円