当院でのがん診療について

がん診療

日本での死因トップといわれる”がん”
現在は2人に1人が生涯で何らかのがんにかかる時代といわれています。
当クリニックではがん治療認定医が、がんの診断、がん検診、がん術後の定期検査、フォローアップなど、がんを総合的に診断いたします。

食道がん

食道について

食道は、のどと胃の間をつなぐ筒状の臓器で、部位によって、頸部食道、胸部食道、腹部食道と呼ばれています。口から食べた食物を胃に送る働きをしていて、食道の粘膜は食物が通りやすいように粘液を出しています。食道は体の中心部にあり、気管、心臓、大動脈や肺などの臓器や背骨に囲まれており、周囲にはリンパ節があります。
食道は何層もの壁からできています。粘膜上皮、粘膜固有層、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層であり、一番壁の内側にある粘膜は重層扁平上皮という組織で覆われています。

食道がんとは

食道がんは一番内側の粘膜から発生します。
主に2つのがんのタイプに分けられます。
① 扁平上皮癌:日本人の食道がんの90%以上がこのタイプであり、60~70歳の男性に多く発病。
② 腺癌:逆流性食道炎を背景として起こることが多く、欧米では食道がんの半数以上を占めています。近年、食生活の欧米化や肥満の増加に伴い、わが国でも食道腺癌が増加傾向にあります。

がんは発生すると増大していき、何層もの壁を越えて拡がり浸潤していきます。食道は胃や大腸と同じ消化管ですが、粘膜下層にあるリンパ管がより多く張り巡らされているため、がんの浸潤によるリンパ節転移を起こしやすい臓器です。食道の壁内にあるリンパ管や血管にがんが侵入し、リンパ液や血液の流れに乗ると、食道外にあるリンパ節や肺、肝臓などの他の臓器に転移します。

  • 早期食道がん:粘膜層に留まりリンパ節転移のないもの
  • 表在食道がん:粘膜下層までで留まっているもの
  • 進行食道がん:深い層(固有筋層)以上まで及んでいるもの

食道がんでは重複がん(その他のがんが合併すること)の割合が約20%もあり、同時発生することもあれば、別の時期に発生することもあります。食道がんの重複がんとしては、胃がん、頭頸部がん(咽頭がん、喉頭がん)などが多くできます。食道がんが疑われたら、他の臓器の検査も重要です。

食道がんの原因

食道がんの危険因子は扁平上皮癌と腺癌で異なります。
扁平上皮癌は主に飲酒と喫煙が危険因子です。飲酒と喫煙の両方があるとさらにリスクが高まります。近年、お酒を飲むと顔が赤くなる体質の方が飲酒を続けると、食道がんや頭頸部がんになる危険性が高いことが明らかになりました。

食道腺癌の危険因子は胃食道逆流症とそれに伴って起こってくるバレット食道という変化です。肥満や喫煙、欧米型の食生活は逆流性食道炎や食道の慢性的な炎症を引き起こし、食道腺癌の原因となります。バリウムによる胃がん検診では食道癌の発見は困難であり内視鏡検査が必要です。

食道がんの症状

初期には自覚症状がないことがほとんどです。がんが進行するにつれて、飲食時の胸の違和感、飲食物がつかえる感じ、体重減少、胸や背中の痛み、咳、声のかすれなどの症状が出ます。心臓、呼吸器の病気でも出る症状ですが、食道を含めた消化管の検査も必要であると思われます。

食道がんの治療

早期がんと表在がんの一部が内視鏡治療の適応となります。内視鏡治療には内視鏡的粘膜切除術 (EMR)と内視鏡的粘膜下層剥離術 (ESD)があります。
表在がんの一部と進行がんに対しては、手術療法や化学療法(抗がん剤)、放射線療法を行っていきます。
治療が必要と判断されたら、当クリニックの連携先でもある総合病院や専門の医療機関を紹介いたします。

当クリニックでは定期健診、二次検診も可能です

また、当クリニックでは胃がん検診の二次検診(バリウム検査での要精査、要精密検査、要治療など)、食道がん内視鏡治療後、食道がん外科手術後の方に対して内視鏡検査のみならず、血液検査、レントゲン検査、腹部超音波検査を用いた定期検査も行っております。

胃がん

胃がんとは

胃の粘膜の腺細胞から発生する腫瘍のことを言います。悪性腫瘍の中で罹患率(患者数)は2位、死亡数は3位です。発生の原因としては、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染することによる胃壁の損傷が多いと言われています。また、食生活の乱れや喫煙、遺伝子の異常なども関係しているとも言われています。

胃がん症状

初期では自覚症状がみられないので、ご自身で気がつくことは困難です。そのため初期で胃がんを発見された方の大半は、健康診断や人間ドックでの検査時に見つかることがほとんどです。
ある程度進行していくことで、食欲不振、胃痛、胸やけ、嘔吐、吐き気などの症状が出るようになります。

胃がんの治療

早期がんであれば、輪状のワイヤーをかけてがんを切り取る内視鏡的粘膜切除術(EMR)や高周波のナイフで切り取る内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行うことで根治することができます。進行がんになると根治治療として切除手術が必要になります。また病状がさらに進行し、肝臓や肺、腹膜など遠隔転移を有する場合は抗がん剤による治療が中心になります。

繰り返しますが、初期では自覚症状はありません。そのため早期で胃がんを発見するには健康診断や人間ドックでの定期的な胃内視鏡検査(胃カメラ)が非常に重要です。早期に見つかれば内視鏡治療や手術で治癒することが可能な病気であるということができます。治療が必要と判断されたら、当クリニックの連携先でもある総合病院や専門の医療機関を紹介いたします。

当クリニックでは術後の定期健診も可能です

また、当クリニックでは胃がんの手術後の方、内視鏡治療後の方に対して内視鏡検査のみならず、血液検査、レントゲン検査、腹部超音波検査を用いた定期検査も行っております。過去に胃がんと診断された方は気兼ねなく受診ください。

大腸がん

大腸がんとは

大腸にできるがんを総称して大腸がんと呼びます。盲腸からS状結腸にかけて発生すると結腸がん、直腸から肛門にかけて発生すると直腸がん、肛門に発生すると肛門がんと診断されます。

なお大腸がん発生の原因については完全に特定されたわけではありません。これまでは欧米人特有の病気と思われてきましたが、最近になって日本人の患者も急増(特に30代前半以上)してきており、罹患率(患者数)は1位、死亡数は2位です。食事の欧米化が進んだことが影響しているといわれています。

大腸の病気には、遺伝性の病気である家族性大腸腺腫症やリンチ症候群、炎症性の病気である潰瘍性大腸炎やクローン病などがあります。これらの病気がある人は、大腸がんが発生しやすい傾向にあります。

大腸がんの症状

自覚症状が出ないので初期から見つけることは難しいです。健康診断や人間ドックでの便潜血検査で指摘されることがほとんどです。陽性率は5~7%で大腸がんが発見される確率は2~3%と言われています。
進行すると血便、下痢や便秘の繰り返し、残便感、腹部膨満感、体重減少などが現れます。

大腸がんの治療

切除の方法には、内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)があり、病変の大きさや部位、肉眼で見た形(肉眼型)、予測されるがんの広がりの程度によって治療方法が決定されます。

①内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)

主に、キノコのような形に盛り上がった茎がある病変に対して行われます。内視鏡の先端からスネアと呼ばれる輪状の細いワイヤーを出し、スネアを茎に掛けて病変を絞め付けて、高周波電流で焼き切ります。最近では高周波を用いないで、そのままスネアで切り取るコールドスネアポリペクトミーという方法も行われています。高周波電流で焼き切るよりも、出血や穿孔(穴が開くこと)の危険性が低いといわれていますが、適応は限られています。

②内視鏡的粘膜切除術(EMR)

病変に茎がなく、盛り上がりがなだらかな場合は、スネアが掛けにくいため、病変の下に生理食塩水などを注入してから、病変の周囲の正常な粘膜を含めて切り取ります。

③内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

主にEMRで切除が困難な大きな病変に対しての治療法です。がんを浮きあがらせるために、病変の粘膜下層に生理食塩水やヒアルロン酸ナトリウムなどを注入してから、病変の周りや下を電気メスで徐々に切開し、はぎ取る方法です。EMRに比較すると、治療に時間がかかります。また、出血や穿孔などの危険性も少し高くなります。

繰り返しますが、初期では自覚症状はありません。そのため早期で大腸がんを発見するには健康診断や人間ドックでの定期的な便潜血検査、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)が非常に重要です。早期に見つかれば内視鏡治療や外科手術で治癒することが可能な病気ということができます。

当クリニックでは日帰り内視鏡手術、術後の定期健診も可能です

当クリニックでは上記記載しました内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)を日帰り内視鏡手術として対応可能です。病変が大きく入院加療を要する方、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が必要な方は、当院の連携先でもある総合病院や専門の医療機関を紹介いたします。

また、当院では大腸がんの手術後の方、内視鏡治療後の方に対して内視鏡検査のみならず、血液検査、レントゲン検査、腹部超音波検査を用いた定期検査も行っております。大腸がんと診断された事のある方は気兼ねなく受診ください。

肝臓がん

肝臓がんとは

肝臓に発生するがんを総称して肝臓がん(肝がん)といいます。肝臓より発生する原発性肝臓がんと、他の臓器から転移して肝臓にがんが発生する転移性肝臓がんに分けられます。なお原発性肝臓がんを発症する方の9割ほどが肝細胞に発生する肝細胞がんで、残りの1割ほどが胆管細胞がんの方になります。なお肝がんと一般的に呼ぶ場合は、肝細胞がんを意味していることが多いです。

肝臓がんの原因

肝細胞がんの発症原因の多くは、B型、C型肝炎ウイルスの持続感染によって引き起こされる場合が大半ですが、最近では非アルコール性脂肪肝炎(NASH)からの持続感染、多量の飲酒や喫煙が引き金となることもあります。

肝臓がんの症状

初期には自覚症状はありません。進行することで、腹痛や腹部膨満感、腫瘤(しこり)、圧迫感、食欲低下がみられるようになります。定期的な血液検査、腹部超音波検査などを行う事が重要です。

肝臓がんの治療

治療は症状の程度や原因、年齢などによって異なります。

  • 外科的治療:がんを含む肝臓の一部を切除していく部分切除、系統的切除など
  • ラジオ波焼灼療法:がんが小さく(3cm以下)、数が少ない(3個程度)という場合にラジオ波電流によってがんを焼灼する
  • 肝動脈化学塞栓術:肝臓の血管に抗がん剤を流し込んで、栓をすることでがんを治療する
  • 化学療法、放射線療法
  • 肝移植など

上記が挙げられます。

当クリニックでの検査、診断について

血液検査、腫瘍マーカー検査、尿検査、腹部超音波検査を行います。悪性が否定できない場合は、詳細な検査を行える医療機関をご紹介いたします。

下記のような方は当クリニックへの受診をおすすめします

  • 検診で要精密検査、要経過観察、要治療と言われた方
  • 肝機能が悪いと指摘された方
  • 脂肪肝と言われたことがある方
  • 腹部膨満感、お腹が張る、お腹にしこりを触れる方
  • 肝炎ウィルス(B型肝炎、C型肝炎)を指摘された方
  • お酒をよく飲む方
  • 喫煙者の方
  • 体や目の色が黄色い、黄疸を指摘された方
  • 肝臓がんについて心配な方

膵臓がん

膵臓がんとは

9割以上が膵管(膵臓から十二指腸に分泌される消化液の通り道)にできることから、一般的に膵臓がんといえば膵管がんを指します。その他、膵臓にできる腫瘍には膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN:Intraductal Papillary Mucinous Neoplasm)、神経内分泌腫瘍などがあります。悪性腫瘍の中で死亡数は4位です。

脾臓がんの特徴

早期のうちから、浸潤(がん細胞が血管やリンパ管に拡がること)しやすく、転移しやすいのも特徴です。周辺の太い動脈に浸潤すると腫瘍の大小にかかわらず手術が困難になり、約7割が手術での治療が不可能といわれています。仮に手術で腫瘍を切除できても、再発の可能性が高く、術後の5年生存率は20~40%と低いのも特徴です。
患者数は60歳頃から増え始め、その後年齢が上がるほど発症率が上昇し、日本では高齢化社会に伴って、患者数が増加しています。なお、女性よりも男性にやや多い傾向があります。

脾臓がんの原因

特定の原因は明らかでありませんが、喫煙、膵臓がんの家族歴、糖尿病、慢性膵炎などが危険因子となることがわかっています。家族歴に関しては、親や兄弟姉妹など血縁関係者の中に膵臓がんの患者が2人以上いる場合に家族性膵臓がんと見なされ、それが3人以上になると50歳以下の若年期に膵臓がんを発症するリスクが高まります。膵炎は、習慣的に多量のアルコールを摂取する方に加え、最近では強いストレスにさらされている方、脂肪分の多い食事を取る方が増えたことで、患者数が増加しています。慢性膵炎の死亡原因として最も多いのが膵臓がんであり、慢性膵炎の増加に伴い膵臓がんの方も増加傾向にあります。また、糖尿病にかかっている人は、そうでない人に比べて膵臓がんを発症しやすいという研究データがあり、糖尿病と診断された場合は同時に膵臓がんの検査を受けることが推奨されています。既に糖尿病を患っており急激に血糖コントロールが悪化した場合も、膵臓がんが隠れている可能性があるので早急な検査が必要です。

脾臓がんの症状

初期は自覚症状がほとんどなく、気づいたときには進行していることがほとんどです。がんが進行するにつれ、みぞおちや背中の痛み、腹部膨満感、食欲不振、体重減少、全身の倦怠感などが現れます。膵頭部にがんができた場合は、がんが胆管を圧迫し、胆汁の流れが悪くなることで黄疸を来すことがあります。膵臓はインスリンをはじめとした血糖値をコントロールするホルモンを分泌する役割を担っており、膵臓の機能が低下することで、血糖値が悪化することもあります。その結果、糖尿病が発症・悪化する場合も多いです。膵臓がんと診断された人の約4人に1人が、糖尿病を発症しているとの報告もあります。

脾臓がんの検査、治療

血液検査だけでは膵臓がんの早期発見は難しく、血液検査で膵酵素の働きや腫瘍マーカーを確認することに加え、腹部超音波検査、CT、MRI、超音波内視鏡検査(EUS)といった画像診断を組み合わせることが重要です。超音波内視鏡検査は、先端に小さな超音波のついた内視鏡を挿入する検査で、2cm以下の小さな腫瘍を比較的検出しやすいと言われています。
これらの検査だけでは診断が難しい場合は、内視鏡の先端から胆管・膵管にカテーテルを入れ、造影検査を行う内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)、放射性の薬剤を使って全身へのがん細胞の拡がりを調べるPET-CT検査などを行っていきます。また、内視鏡や腹腔鏡で腫瘍の一部を採取して顕微鏡で観察する生検を実施するなど、これら複数の検査結果を組み合わせて、総合的に判断をしていきます。

膵臓がんにならないために

発症のリスクを高める因子を取り除くことが予防につながります。過度の飲酒、肉を中心とした食事や脂質の多い食事、カフェインや香辛料など刺激物の過剰摂取は、膵炎を招くことがあるため避けてください。日頃から適度な運動、野菜中心のバランス良い食事を心がけて、肥満や糖尿病などの生活習慣病を予防しましょう。喫煙は膵臓がんに限らず、がん全体の要因となり得るため禁煙しましょう。また、既に糖尿病、慢性膵炎にかかっている人、膵臓がんを患った家族がいる人は、定期的に検査を受け、早期発見・早期治療につなげることが大切です。膵臓がんについては、現在のところ指針として定められている検診はありません。気になる症状がある場合には、当クリニックを早めに受診することをお勧めします。

当クリニックでの検査、診断について

血液検査、腫瘍マーカー検査、尿検査、腹部超音波検査を行います。悪性が否定できない場合は、詳細な検査を行える医療機関をご紹介いたします。

下記のような方は当クリニックへの受診をおすすめします

  • 検診で要精密検査、要経過観察、要治療と言われた方
  • お酒をよく飲む方
  • 喫煙者の方
  • 慢性膵炎といわれた方
  • 糖尿病の急激な悪化を認めた方
  • みぞおちや背中の痛みを感じる方
  • 腹部膨満感、お腹が張る方
  • 腹痛、便秘、下痢などお腹の調子が悪い方
  • 胸やけ、吐き気、嘔吐が続く方
  • 食欲が低下している方
  • 食べ物の通りが悪い、食べ物がつかえる方
  • 体重減少の続く方
  • 倦怠感が続く方
  • 体や目の色が黄色い、黄疸を指摘された方
  • 膵臓がんを患ってる血縁者がいる方
  • 膵臓について心配な方

乳がん

乳がんとは

乳管もしくは小葉上皮から発生するがんを総称した呼び名で、乳管から発生するがんを乳管がん、小葉上皮から発生するがんを小葉がんといいます。悪性腫瘍の中で罹患率(患者数)は1位、死亡数は5位です。

乳がんの原因

40歳代~60歳代の閉経を迎える前後の女性が発症しやすいとされ、発症の要因としては遺伝的要因や女性ホルモン(初経年齢が早い、閉経年齢が高い、出産経験がない、初産年齢が高い、授乳経験がない、経口避妊薬の使用がある、閉経後の長期のホルモン補充療法などエストロゲンが長く分泌している状態)が関係しているのではないかと言われています。最近は20代の女性患者も増えています。また飲酒や閉経後の肥満、運動不足といった生活習慣もリスク要因として挙げられています。

そのほかに、第一親等(自分の親または子)で乳がんになった血縁者がいることも乳がんの発生要因になります。原因としては、BRCA1、BRCA2という遺伝子の変異が知られていますが、これらの変異があるからといって必ずしも発症するとは限りません。遺伝医学などの専門家のいる施設で、遺伝カウンセリングや遺伝学的検査を行うことが勧められます。

乳がんの診断、症状

乳房のしこりでとくに腋の下あたりに硬い塊に触れることが多いです。そのほかにも、乳房の皮膚が窪んでいるといった症状もあります。なお発症間もない乳がんにしこりが現れることはなく、5mm~10mm程度の大きさになることで気づくことが多いです。定期的に血液検査、乳腺超音波検査、マンモグラフィー検査を受けることが重要です。なお、月1回のご自身での乳房触診が日本乳癌学会で推奨されております。

乳がんの治療

乳腺や腋下に病変が留まっている場合は手術(乳房切除術、乳房温存術)と化学療法、術後ホルモン療法などを組み合わせます。
乳房温存やダウンステージ(術前の進行度を下げる)の為に、術前化学療法を行う事もあります。
乳房切除術を行った方は一次再建(乳房切除術と同時に)、二次再建(乳房切除術や化学療法などの補助療法が一段落したところで行う)として乳房再建術を行う事も可能です。

乳房再建術の種類としては下記のようなものがあります

  • 自家組織:広背筋皮弁、腹直筋皮弁
  • 人工物を使用した再建:ティッシュエキスパンダー、シリコンインプラント など

当クリニックでの検査、診断について

触診、血液検査、腫瘍マーカー検査、乳腺超音波検査を行い的確な診断をしていきます。
悪性が否定できない場合は、詳細な検査を行える医療機関をご紹介いたします。

下記のような方は当クリニックへの受診をおすすめします

  • 検診で要精密検査、要経過観察、要治療と言われた方
  • 胸にしこりがある方
  • 腋の下にしこりがある方
  • 胸が張る方
  • 胸が赤く腫れている方
  • 血縁者(第一親等)に乳がんを患っている方
  • 乳頭から血性(赤い)分泌物が出る方
  • 胸、乳腺に関することで心配な方
  • 乳がんについて心配な方 など

肺がん

肺がんとは

気管支や肺胞の細胞が何らかの原因でがん化したものです。悪性腫瘍の中で罹患率(患者数)は3位、死亡数は1位です。進行すると、がん細胞は周りの組織を壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れにのって転移することもあります。転移しやすい場所はリンパ節、反対側の肺、骨、脳、肝臓、副腎です。

肺がんは主に非小細胞がん、小細胞がんの2つのタイプに分けられます。発生場所や特徴が各々で違ってきます。

①非小細胞肺がん

組織分類 発生場所 特徴
腺癌 肺野 肺がんの中で最も多い、症状が出にくい
扁平上皮癌 肺門 咳や痰などの自覚症状が出やすい、喫煙者に多い
大細胞癌 肺野 進行が速い

*肺野:気管支の末梢から肺胞のある肺の奥の部分
*肺門:肺の入口の太い気管支のこと

②小細胞肺がん

組織分類 発生場所 特徴
小細胞肺がん 肺門・肺野ともに 進行が速い、転移しやすい、喫煙者に多い

肺がんの原因

原因として、現在のところ判明しているのは喫煙です。
特に小細胞がん、扁平上皮がんは喫煙との因果関係が深く、喫煙習慣のない方はほとんどかからないがんです。タバコを多く吸う人ほど肺がんにかかりやすく、一般に重喫煙者(ブリンクマン指数:1日の本数×喫煙年数=喫煙指数が600以上の人)は肺がんの高危険群です。喫煙者は非喫煙者と比べて男性で4~5倍、女性では約3倍肺がんになりやすく、喫煙を始めた年齢が若く、喫煙量が多いほどその危険性は高まります。受動喫煙も肺がんのリスクを2〜3割程度高めるので、禁煙は重要な事です。食事の欧米化、大気汚染なども原因といわれていますが、まだ明らかにされていません。

肺がんの治療

治療法は原則的には病期により決定されます。
手術適応となるものは、I期、II期の非小細胞肺がんとI期、IIA期の小細胞肺がんと言われていますが、がんの部位、組織型、年齢、既往歴、合併症、臓器の機能や一般的な健康状態に基づいて、治療の方法は選択されます。手術以外には放射線療法、化学療法、免疫療法などがあります。

当クリニックでの検査、診断について

血液検査、腫瘍マーカー検査、胸部レントゲン撮影を行います。肺がん検診、人間ドックにも対応します。悪性が否定できない場合は、詳細な検査を行える医療機関をご紹介いたします。

下記のような方は当クリニックへの受診をおすすめします

  • 検診で要精密検査、要経過観察、要治療と言われた方
  • 咳、痰が続く方
  • 痰に血が混じる(血痰が出る)方
  • 定期的な喫煙習慣のある方、過去に喫煙歴のある方、周囲に喫煙者がいる方
  • 息苦しさを感じる方
  • 全身のむくみが強い方
  • 肺がん、肺の病気のことで心配な方 など

前立腺がん

前立腺とは

前立腺は男性にだけある臓器で生殖器の一部です。膀胱の下にあって、膀胱から出た尿道の周りを取り囲むように存在し、栗の実に似た形をしています。前立腺の前には恥骨と呼ばれる骨盤の骨があり、後ろには直腸があります。前立腺は精液の一部を作っていて、一回の射精量の3分の1位が前立腺から分泌されます。発生から増殖・成長まで男性ホルモンに依存しており、加齢に伴い多くの男性で肥大します。
前立腺は尿道に近い部分の内腺と外腺に分けられます。前立腺肥大症という病気は内腺が大きくなって、尿が出にくくなる病気です。これに対して前立腺癌の7割以上は外腺にできます。

前立腺がんとは

前立腺の中にがん細胞が発見される病気です。これは前立腺の細胞が正常に増殖する働きを失って、異常な細胞が修正されることなく増殖してしまうことによって発生します。悪性腫瘍の中で罹患率(患者数)は5位です。がんは周囲の正常組織を破壊して広がり、進行すると転移し他の臓器にも広がる現象がおこります。転移をしやすい臓器は癌の種類によって違いますが、前立腺がんの場合はリンパ節と骨が挙げられます。

前立腺がんの原因

原因はまだ明確にはなっていませんが、動物性脂肪を多く摂ることや、緑黄色野菜の摂取不足は、前立腺がんの発生頻度を高くする原因の一つと考えられています。日本でも、食事の欧米化や高齢化社会となっていることから、前立腺癌の発生頻度と死亡率は年々増加しています。また近親者に前立腺癌の人がいる場合、前立腺癌にかかる確率が高くなり、近親者が父親や兄弟の場合はその頻度が2倍以上になると言われています。

前立腺がんの症状、治療

初期では自覚症状はありません。進行すると主に排尿に関連した症状が出現します。

前立腺がんの主な治療法は、監視療法、手術(外科治療)、放射線治療、内分泌療法(ホルモン療法)、化学療法です。複数の治療法が選択可能な場合があります。PSA値、腫瘍の悪性度(グリーソンスコア)、リスク分類、年齢、期待余命、その方の治療に対する考え方などを基に治療法を選択していきます。

当クリニックでの検査、診断について

血液検査、尿検査、直腸診(前立腺の硬さを診断します)、腹部超音波検査を行い的確な診断をしていきます。また前立腺特異抗原(PSA)という腫瘍マーカーを用いて、前立腺がんの早期発見に努めます。悪性が否定できない場合は、詳細な検査を行える医療機関をご紹介いたします。

下記のような方は当クリニックへの受診をおすすめします

  • 排尿困難(尿が出にくくなる)
  • 頻尿(尿の回数が多くなる)
  • 残尿感(尿が出きらない感じがする)
  • 尿意切迫(尿意を感じると我慢できなくなる)
  • 尿閉(尿道が強く圧迫されると尿が出なくなる)
  • 下腹部の違和感
  • 前立腺がん、前立腺肥大が心配な方
  • 尿に関することで心配な方